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藤本主税のアルディージャ [アルディージャ]

大宮アルディージャの2011シーズンが終わった。
ファンをやめようとまで思い詰めたシーズンであった。

2007年3月25日。ヤマザキナビスコカップ予選リーグの柏戦。
当時浦和レッズを応援していた僕が、たまたま手に入ったタダ券で初めて観に行った雨の駒場。
知っている選手と言えば、当時代表に選ばれていた小林大悟ただ一人。しかも名前だけ。
駒場(ホーム)なのに柏の方がサポーター多いじゃん、くらいしか思っていなかった。
しかし、今思えば非常に幸運なのだが、その日、2007年の大宮戦を観に行ったのにも関わらず勝ち試合を見ることが出来た。
その試合でゴールを決めた選手が藤本主税だった。
ゴール後の阿波踊りのパフォーマンス。種田(野球選手―当時横浜ベイスターズ)っぽい顔。一発で覚えた。
その後大宮が気になり始めたものの、07年は浦和をメインに応援していた。

翌08年。
ACLで勝ったものの、オジェックの怪しい采配と、それに伴うワシントン・伸二の退団でなんか浦和ビミョーになってきたなあと思い始めていた僕は、開幕前に何を思ったのか志木グラウンドに行ってみた。
大原(浦和の練習場)には何回か行ったことがあったので、まあ正直「おいおいこれがプロの練習場かよ(笑)」と思った。ファンもいないし・・・。
だが、練習終わりのファンサービスを見て驚愕。
浦和は(今は知らんけど)、サインなんかまあしてくれないし、たまーに出てきて「ほら、やるよ」とばかりにサイン入り(入ってない場合もあった)ポストカードを少数くばって終わり。という状況だった。そんな中、唯一、いつもサインをしてくれていた加藤順大が僕は好きだったのだけれど・・・。
しかし、大宮はみんなサインや会話をしてくれるし、何より嫌そうじゃない。
これで僕の心はわしづかみにされたと言っても過言ではない。この日貰った卓朗(ちょこちょこ試合を見てるうちにファンになった)と主税のサインは忘れられない。
げにファンサービスというのは重要なのである。

この年は、浦和もかなりの迷走っぷりで、僕の気持ちはどんどん大宮に傾いていき、内舘引退で完全に自分の中の浦和は終わった(今の大宮の方がよほど迷走とか言ってはいけない)。ウッチー、大好きだったなあ。

一方、この年の大宮は、まあ残留争いはしていたものの、樋口さんにはかなり好感度を抱いていた。
なにより理想は高く持ちつつも、堅実な采配に徹していた。誰かさんとは以下略。

樋口さんにサインを貰った時に、「今年の目標を書いて貰えますか?」と言って書いて貰ったのがこれ。
樋口さんサイン.JPG
ファンに「目標は?」と聞かれてなかなか書けないと思う。
ただ、安易に「優勝」とか言わないところにこの人の誠実さが出ている。僕はこの人のサッカーが好きだったし、この年のメンバーは僕の中でほぼ黄金メンバーだ。

その中から、卓朗・荒谷・レアンドロ・佐伯・宏太が消え
慶行・冨田・波戸・洋介・雅人が消え
土岐田・ヨンハ・マト・藤田・内田が消え、オフのたびにがっかりしてきた。
でも、主税は、主税は残っていたし、主税がいる限りこのチームはまだ大丈夫だと思っていた。
自分が見てきた4年半、まちがいなくこのチームは主税のチームであったし、主税が居なければ確実に2部降格していたし、主税が育てた若手も何人もいただろう。
僕は奥野の現役時代をほとんど知らないので、僕にとっては主税がミスター大宮だ。

でも、今オフ。主税が消える。

クラブからのリリースを見た時の絶望感はハンパじゃなかった。プロ野球・Jリーグを見てきて初めて好きな選手が去ることで泣いた。
監督がどうしようもないし、僕が勝手に大宮の師匠だと思っている、とある方もファンをやめてしまう事を示唆していたので、真剣に来期も大宮を見るかどうか悩んだ。その方は「ファンを続けてください」と言ってくれたのだけれど。
主税の居ない大宮のピッチなんて想像もできないし、したくなかった。
どんな選手もいつかは去る時が来るが、ふさわしい去り方ってもんがある。
出していい選手と良くない選手もわからないのか、と。
主税の居ない来期の大宮を考えると憂鬱になる日々。
こんなに辛いのに無理に見ることもない、と揺れる心。

とりあえず、最終節は見届けよう。そして決めよう。と思って見た今日の甲府戦。

いい試合だった。悔しいほどに。
直樹が素晴らしすぎる。来期も居て欲しいが、監督がこれでは出た方が幸せだろう。
そんなことを考えていると、直樹のいいプレーの度に、怒りと涙が出てくる。

同じく退団する新も素晴らしい。相変わらずの上下動にいいクロス。
若手を育てたいから、と波戸を切って獲得した杉山新。
そして2年後に同じ理由で捨てられる新。
奇しくもその波戸も今期で引退。
この2年間、ここにいるのが波戸ではいけなかった理由があるのだろうか?

そして、後半19分。背番号11、藤本主税が出場。
やはり来年からこの人が居ないなんて信じられない。

キックオフ直後は、ハッキリ言って冷めた目で見ていた今日の試合。
しかし、これだけの試合を見せられるとやはりのめり込んでくる。
主税が出場してからは、全選手(東だけは自分で取りに行こうとしてたが。笑)の「主税さんに点を取らせよう」という気持ちが伝わってくる。

残念ながら点を取ることは出来なかったが、そのプレーを目に焼き付ける。

試合が終わり、一つの時代も終わる。

試合後のスピーチではどうしても泣いてしまった。

主税が大宮に残してきた功績は本当に大きい。
その主税が、僕にとっての最後の大仕事をやってのけた。

大宮から離れかかっていた僕の心をつなぎ止めてくれたのだ。

大宮が大好きだから、自分はいつか必ず戻ってくる。
だから、その時まで大宮を見捨てないでくれ。

これを聞いた瞬間、僕の中で何かが決まった。
主税がそう言うのなら、見捨てるわけにはいかない。

あの人が続投である以上、不快な試合が来期も続くだろう。
それだけは憂鬱だけれど、まだファン歴が浅い僕は、もっと我慢が必要。主税のためにもね。
その辺に関して言いたいことはままあるけど、今日はまあいい。
我慢しよう来期。できるかなあ・・・。

でも主税の挨拶で心が完全に決まったのは確か。

ありがとう。本当にありがとう。
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